すでに原状回復のコンサルティングを離れてから3年以上経っているが、未だに一般の住居として借りている部屋の原状回復でトラブルになっているというのが驚きだ。

丁度10年前に東京都が「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」というのを出して、原状回復に対する大家と入居者の負担割合を明記しているのに、その解釈を巡ってのトラブルが無くならないからだ。




基本的には、大家が時代の流れについて行くことができずに、古いビジネスモデルに固執しているためにおこるトラブルだ。

なんやかんや言って保証金や敷金として預かっているお金を返さないというのが、トラブル原因の半数以上を占めている。

逆に入居者の使い方が悪すぎて、保証金や敷金では足りず、追加請求するが支払ってくれないというトラブルも若干数ある。

なぜ?このトラブルが無くならないんだろうか?


今まで数百人のサポートをしてきた経験から考えると、原因の大半は大家さんという人種が「曲者」だということだ。
大家さんも二種類に分類することができると考えている。


1.自身で財産を築いた大家
2.親の財産を受継いだ大家




【自身で財産を築いた大家】の特徴

自信で財産を築いた大家というのは、話をしていても時代の流れを読む力に長けていると思う。

原状回復費用を入居者からふんだくれる時代ではないことは良くわかっている。

でも、相手を言い負かすというか納得させることが上手なので、自分なりの意見を言い張って言いくるめようとする人が居る。

多分、買い物にでも行って、お店で根切り交渉をしているような感覚で、入居者に原状回復費用を吹っかけているように思える。

基本的には取ることができないことは理解しているので、理論的に説明するとメンドクサくなってすぐに納得してくれる。

この手の大家さんは、理解している人が多くトラブルは少ない方だと思う。




【親の財産を受継いだ大家】の特徴

厄介なのはこちらのタイプの大家さん。

親からもらった財産を守るという姿勢なので、すでに思考が停止している人が多い。

そして小さい頃から地主の跡継ぎとして育っているためにプライドが高い。

「貸してやっている」意識が強く、お客様という概念を理解することができない。

「~してやったのに~」という言葉が口から良く出てくる。

親の代から引継いだ、大家と店子という概念から離れることができない人という感じかな。

この手の大家さんと話をすると、自分がどんなに良い人間だということを積極的にアピールしまくる。

でも、その内容がすべて上から目線で、入居者にとってはさほど喜ばしいことでないことを、恩着せがましくアピールする。

根本的に理論的な話をすると気分を概して、話にならなくなってしまう。

未だに生き残っているこの手の大家さんがトラブル原因の大半になっていると思われます。


自分がこの2種類のオーナーに対してどのように接して解決していたか?




自信で財産を築いた大家に対しては、理論的に説明をするようにしました。

必要であれば、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」のコピーなんかも渡して納得できるまで説明しました。

受継いだ大家に対しては、理屈的な話はあまりしません。

思考停止している人間に理論的な話をしても噛み合ないばかりか、相手が向き合ってくれなくなってしまうからです。

今の世の中で会社勤めをしていたり、学生で居るのも大変だという話をして、社会的地位も財産もある大家さんに大目に見てもらうようお願いするような会話をしました。

めちゃくちゃな要求をしている大家に対して、おだてて免除してもらうようなイメージですかね。

こんな感じで使い分けていました。


久しぶりに原状回復について思い出して書いてみました~!

原状回復のトラブルでお悩みの方の役に立てばと思います。



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